マーケティング戦略(marketing strategy)
新規事業や新製品のマーケティングを考えるときに、目的・目標は何か、戦略は何かということを最初に考えておくことは重要だ。
マーケティング戦略の重要性は、リアルなビジネスだろうと、インターネットのビジネスだろうと変わりは無い。
もちろん、競争が激化しビジネスのスピードが早くなる一方の昨今、走りながら考えざるをえない、ということもあるとは思うが、いずれにしてもマーケティング戦略として、市場において、または競合に対しての立ち位置(ポジショニング)を決めておくことは、その後どのようにして実際にいろいろなマーケティングの戦術、施策、具体的なプロモーションを実行していくかに関わってくるからだ。
要するに、マーケティング戦略がしっかりと定まっていなければ、その後に実行するマーケティング行動が首尾一貫せずに行き当たりばったりやチグハグになったりして、広告費や営業マンの人件費などをどぶに捨てるような結果になる恐れがあるのだ。
当方もマーケティングの実務やコンサルティングなどの業務をこなすうちに様々なマーケティングの事例を見聞きしてきているが、失敗した事業や製品、サービスでは、そのビジネス戦略、マーケティング戦略はどのようなものだったのか、あるいは戦略自体すらあったのか、と思わせられるような場合も少なくないのが実情だ。
理屈から言えば、マーケティング戦略は端的には次の三つのいずれかに帰着する:
- 低コスト (low-cost)
- 選択と集中 (focus)
- 差異化(differentiation; 差別化と言うと語弊があるので最近はこういうらしい)
もちろん、実際のビジネス、マーケティングでは、このどれかだけということではなく、その組合せになることも多いと思われるが、いずれにしても、この三つの要素を自社の事業や製品できちんと考えておくことが、具体的なプロモーションや広告・広報などで最善の結果に繋がる。
以下それぞれについてもう少し補足する。
まず、低コスト。誤解されやすいかもしれないが、「低コスト」=「低価格」では必ずしもないので注意。
マーケティングにおいて価格戦略で低コスト→競合よりも低価格で提供、という場合もあるだろうが、この場合顧客が買うときに同じ価格でも低コストで製品やサービスを提供できていれば、その分利益率が高い、というような状況を戦略上狙うということだ。 例えば、ユニクロなどは中国で大量に製造することでこの戦略を取っている。
次に「選択と集中」。これは、既にビジネスの現場のいろいろな所で言われていることなので、詳しく述べる必要は無いかも知れないが、自社の得意・不得意を見極めて、得意な領域、競合よりも有利な市場セグメントなどを選択して、そこにリソースを集中的に投下することで、最大限の成果を狙うということ。
日本の一流電機メーカーなどの大手企業では、この選択と集中ができていないことが多いのだが、海外のメーカーでは、これを徹底している例が多い。 当方の専門で恐縮ながら、半導体産業で言えば、パソコンCPUのインテル社、携帯電話向けプロセッサのテキサス・インスツルメンツ社、組込み向けプロセッサのライセンス事業に特化している英ARM社などの例が有名。
最後の差異化。これは、平たく言えば特に競合との比較でどのような強みがあるか、ということだ。
製品自体にあまり差が無いコモディティの産業などでは、例えばサービスやデザイン、付加価値などを差異化要因とすることで、競合よりも高い価格でも売れたり、あるいは同じ価格であれば、顧客がそれを選ぶ、というような状況を意図的に作り出すのが、差異化戦略だ。
逆に言えば、差異化戦略がうまく行っていれば、価格競争に巻き込まれtることなく、高い利益率を確保しながら競合よりも有利に事業を進めることが出来る、と言える。
身近な例で言えば、ファーストフード業界のモスバーガーなどは高価でもコメをパンの代わりに使ったライスバーガーや日本人好みのテリヤキバーガーなどを競合よりもいち早く打ち出すなど、製品の差異化を行うことで競争の激しいこの業界で勝ち組に入っていると考えられる。
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