アルファブロガー(Alpha Bloggers)
アルファブロガー11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから
日本で影響力を持つブロガー、いわゆるアルファブロガーの代表的な方々とFPN (Future Planning Network)のメンバーがインタビューしたそのインタビュー集。
当方もブログを日々運営するブロガーの端くれとして、自身のブログをどのようにすれば良いかということを日々試行錯誤している。
そんな訳で、この「アルファブロガー」本も興味深く読むことが出来た。
もちろん、ブログによって十人十色ではあるが、「アルファブロガー」を読むと共に、実際にそれら著名なアルファブロガーの方々のブログにアクセスしつつ、その成功要因を探ってみた。
アルファブロガー・ブログの共通点
- 個性のあるブロガーによるユニークで価値のあるコンテンツ
- 高い更新頻度
- ブログの運営方針や更新のための仕組みが確立
1. 個性のあるブロガーによるユニークで価値の高いコンテンツ
まず、アルファブロガーの方々のブログは、ブロガー自身が個性的な方が多い。
その個性的な方が、それぞれユニークで価値の高いコンテンツを日々ブログに掲載しているのだ。
例えば、田口元氏の運営する百式:では、海外のドットコム企業のサイトを毎日一つずつ紹介するというコンセプトで2000年1月からずっと毎日一日も休まずに更新され続けている。 この百式ブログのコンセプトは、大変シンプルなものだが、当方の知る限り他にこういうコンセプトのブログを知らない。
あるいは、「英語で読むITトレンド」というブログ。
このブログは、シリコンバレーでコンサルタントやベンチャーキャピタルの仕事をされている、梅田望夫氏によるもので、シリコンバレー発のIT関連論評として好評だった。
(この本の刊行時期には、まだ更新されていたが、CNETでのこのブログは終了してしまった。
とは言うものの、梅田氏が現在取締役を勤めている「はてな」の「はてなダイアリー」の方で、ややテーマはくだけたものの新たにブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」を運営されており、そちらで梅田氏の論評や書評などを読むことが出来る。)
梅田望夫氏といえば、「Web進化論」がベストセラーになり、大変有名な方だが、その梅田氏の主張などをブログでも垣間見ることができ、多くの読者がいても不思議ではない。
2. 高い更新頻度
二点目の特徴は、百式の例で上にも少し書いたが、アルファブロガーのブログは更新頻度が高いことだ。
百式の場合、コンセプトがシンプルだと書いたが、これをずっと365日何年間も一日も休まずに更新するというのは、やはり並大抵の努力や心構えではない。ある意味田口元氏のライフワークになっていると言える。
また、個人ブログとしては驚異の100万ページビュー/月を誇る「ネタフル」では、なんと一日に10件もの記事を掲載していることも珍しくない。
ネタフルではそれぞれの記事は短めであるので、その分投稿数の多さでカバーということにもなるのかもしれないが、それにしても一日で10記事の更新というのは凄い。これもなかなか真似はできない。
その他のアルファブロガーの方も、ほぼ毎日更新という方が多く、ブログのコンセプトもさることながら、やはり更新頻度と人気度、アクセスとは概ね比例すると言って良いだろう。
3. ブログの運営方針や更新のための仕組みが確立
三点目は、二点目の更新頻度の高さとも深い関係があるのだが、アルファブロガーの方々のブログでは、記事のネタ元のノウハウ、記事執筆のノウハウ、などで運営の方針が明確に決まっており、スムーズで頻繁な更新を可能にする仕組みを持つ場合が多いことだ。
ブログのテーマで、IT、ライフハック・ツール、知的生産の技術、などを扱う場合が多い方であれば、この辺りが徹底していて、それぞれ執筆のための環境整備やネタ元の確保、生活習慣(早起き、ブログ記事執筆の時間確保など)、などなど、ブログをメディアとして成功させたいブロガーなら、これらも実際的なノウハウとして非常に参考になる。
また、コグレマサト氏、田口元氏や橋本大也氏などのブログではネガティブなことは書かない、などブログで扱う範囲や方向性のポリシーが非常に明確であることも、アルファブロガーの本を読んで認識したのだが、なるほどなーと思わされた。
むろんブログのスタイルとしては、書評などある程度批判・批評めいたことも書かないと、ヨイショだけしか書かないという評価をもらうリスクもあるだろう。
しかし、逆にマイナスのエネルギーに満ちた書き方のブログよりは、批評をしながらもその表現を婉曲的なものにするなどする方が、結果的には炎上するリスクなどから自分のブログを守ることになるのかもしれず、それも長く続けるための智恵ということになりそうだ。
| ブログのタイトル | PR | 更新頻度 | ページ数 | ジャンル |
|---|---|---|---|---|
| ネタフル | 6 | 毎日(数件/日) | 24,700 | 時事ネタ、ニュースなど |
| 百式 (100shiki) | 6 | 毎日(1件/日) | 5,670 | ドットコム(.com)サイトの紹介 |
| 極東ブログ | 5 | 3〜5件/週 | 2,200 | 時事・社会問題への論評 |
| Ad Innovator | 4 | ほぼ毎日(3〜6件/週) | 4,050 | 欧米の広告・マーケティング手法、トレンドなどを紹介 |
| R30::マーケティング社会時評 | 3 | (更新停止中?) | 382 | ビジネス、マーケティング関連の論評 |
| isologue - by 磯崎哲也事務所 | 5 | ほぼ毎日(3〜6件/週) | 1,410 | 会計・法律関連が中心のビジネスブログ |
| On Off and Beyond | 4 | 毎週(3件/週) | 1,310 | [渡辺千賀]テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし |
| NDO:: Weblog | 5 | 週1回程度 | 1,570 | はてなCTO伊藤直也氏によるウェブや技術関連のブログ |
| 情報考学 Passion For the Future | 6 | 毎日更新 | 5,790 | 書評や知的生産関連ソフトなどの紹介 |
| 切込隊長BLOG(ブログ) | 4 | 毎週(3件/週) | 840 | ビジネス、サブカルチャー、投資などのブログ |
| My Life Between Silicon Valley and Japan | 6 | 毎週(3件/週) | 2,690 | シリコンバレー発のITとビジネス関連のブログ |
PR: Google PageRank (グーグル・ページランク = ウェブサイトやブログの人気度、重要度の指標の一つ)
梅田氏のブログについては、「アルファブロガー」本で紹介されていた「英語で読むITトレンド」(CNET)が終了しはてなダイアリーの「My Life Between Silicon Valley and Japan」に移行しているため、そちらのデータを記載
グーグル・ページランク、ブログのページ数(Googleにインデックスされているページ数)、更新頻度などは、2008年12月21日頃のデータ
雑感: SEO vs. ブランド?
それにしても、アルファブロガーと言われている方々のブログを見るとやはりページランクやアクセス数など個人で運営されているメディアでありながら、下手な企業ホームページをはるかに凌駕しているのはやはり凄い。
その一方、ブログのタイトルやキーワードの使用頻度などを見ると、意外に無頓着なブログも多いことにも気づいた。これは、「アルファブロガー」本で紹介されているブログ全般に言えることなのだが、例えばブログタイトルや記事(パーマネント・リンク)のタイトルで英語だけを使っていたりする。
そうすると、SEOの内部要因としては、かなり損になるのだが(英語でのキーワードとして英語圏の読者からのアクセスを狙うのであれば、英語のみのタイトルで一向に構わないが・・・)、それでも上記の表にまとめたようなページランクや月間に数十万ものアクセスがあったりする訳だ。
これは、本を出していたり、セミナーの講師を引き受けていたりするような著名度の高い方のブログだと、ブロガーとしてのブランド以前に、その方自身のブランドがあるため、とにかく被リンク数や固定読者が多いためではないかと思われる。
もちろん、ネタフルのコグレマサト氏のようにSEO面での配慮も十分に考えてブログの運営を行っている方もおり、そういう地道な努力や作業の積み重ねが個人サイトとしては驚異のページランクや、数十万P〜100万PVという数字となっていることは確かだ。
今回の書評で扱った本:
アルファブロガー
11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから
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