今さら「運転する楽しみ」を満たすだけのクルマですか?
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今さら「運転する楽しみ」を満たすだけのクルマですか?

日経BP社の自動車関連技術サイト「日経Automotive Technology」の編集長氏の投稿した最新のブログ記事が、同サイトの読者やネットユーザに反感を買っているようだ。

まず、このブログ記事に付いた評価とコメントを見てみても、1/6の晩現在の評価の総数80あまりのうち「参考になった」という評価20ちょっとに対して「参考にならなかった」がその三倍弱の60程度。
つまり、評価をつけたユーザの7割〜8割は参考にならなかったと厳しい判断を下している。

数多く付けられたコメントも、ピントがずれている、発想が古い、若者の理解ができていない、あるいは一体どのような若者を想定対象としているのか?といった辛口なコメントが多い。

どうも編集長氏の今回のブログ記事はあまり読者やネットユーザの感じ方に対する理解が足らないまま、生産者側(もっとも、このサイトの読者は生産者であり、そのユーザ達への記事としてはこのようなスタンスになってしまうのかもしれないが・・・)の論理を振り回して書きたいことを気の向くままに書いてしまったのではないかという感じがする。

この記事に付けられたコメントでも指摘されているように、やはり発想が古いし、ユーザ/消費者の感覚がわかっちゃいないなぁ〜、と俺も感じる。

同じような脈絡の辛らつな意見は、はてなブックマークでも明らかだ:

俺だってそれほど若い訳じゃないが、現在クルマを所有はしていおらず、仮に日経AT編集長の鶴原氏の提言するような「運転する楽しみ」を持ったクルマをメーカーが出したとしても、多分買わないと思うからだ。

確かに、運転が楽しいというクルマは存在するし、小学生の頃「サーキットの狼」に夢中になり、いわゆるスーパーカー・ブームでフェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、ロータス、BMW、それに幻の名車・トヨタ2000GTなんかをドサ回りでやってきたスーパーカー・ショーに見に行ったこともある俺だって、そういうクルマを保有して乗りたいという気持ちはある。

しかし、首都圏で賃貸住宅住まいのサラリーマン稼業をやっていると、週末にしか乗らないクルマに少ない給料からお金をつぎ込むのは非常に贅沢なことだ。 クルマの保有には、駐車場代、保険代、税金、ガソリン代・・・とにかく維持費が膨大にかかる。 はっきり言って、週末だけしか使わないものにそんな贅沢をする訳にはいかないのだ。

移動手段として考えても、東京近郊での移動は電車が便利だし渋滞でイライラすることもない。
足としてクルマが無くてはならない関東以外の地方とは違って、逆に関東ではクルマの所有はお金持ちの贅沢な趣味じゃないかと思う。

それに、地球温暖化への対策が急務となっており、低炭素あるいは脱炭素社会への移行が模索されているのに、「運転する楽しみ」つまり道楽のためだけに二酸化炭素の排出量を増やすようなことを提言するのは、やはり時代錯誤じゃないかと思う。

100年に一度の金融危機の最中、自動車業界も激震に見舞われていることは間違いない。 
これまでにアメリカ市場頼みだった国内自動車メーカーが窮地に立たされているのもしかり。

しかし、だからといってじゃあ国内の自動車消費や需要を従来の考えの延長線上で再拡大することを考えましょう、というのは、やはり天真爛漫だし、ある意味で知的怠惰ではないだろうか。

こういう状況では、連続的なソリューション、トヨタのような国内自動車メーカーが得意な「カイゼン」では多分通用しないだろう。 それでは対症療法にしかならないし、離れていった消費者を呼び戻すことは難しいと思われる。

逆に、不連続なイノベーションや創造的破壊が市場と技術の両方で求められているのではないかと個人的には感じる。 

以前から書いている通り、それは例えば米国・シリコンバレーの電気自動車ベンチャー、テスラモーターズのような企業の提供する革新的な製品であり、あるいは、同じく海外の電気自動車インフラ・ベンチャーを目指すベタープレイス社のリチウムイオン電池の交換サービスのような革新的なサービスである。


Better Place社のプロモーション・ビデオ(@YouTube)

そして、それらの不連続だがイノベーティブな製品やサービスを一気に市場に提供し、普及させるためのマーケティング、そして行政府や立法府によるバックアップとしての規制緩和や各種の支援制度が求められているんじゃないだろうか。 

資金の工面と言う大きな問題はあるのだが、俺はテスラ・ロードスターならなんとか保有して乗りたいと真剣に思う一方で、化石燃料を食って地球温暖化の元凶になるCO2を大量に吐き出しながら走るクルマにはもう興味は無い。 

これからは、単に「運転する楽しみ」を満たすだけのクルマじゃなく、地球温暖化や資源枯渇といった大きな問題へのソリューションともなるクルマが求められていると考える。

そしてなおかつ、多くの人にそれらを購入してもらうためには、価格もそれなりに、ということだ。

端的に言えば、どうしたら現在のガソリン車と同等の性能の電気自動車やプラグイン・ハイブリッドを普通の消費者が買える100万円台で開発、製造できるか?というのが日本の自動車メーカーが解くべき問題だと思う。

アメリカのビッグスリーが「デトロイトスリー」になってしまった現在、世界でトップレベルにある日本の自動車産業や技術開発が目指す方向というのは、そういった所にあるのではないだろうか。


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