Skype とAndroidが加速する?電話業界の価格破壊・再編
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Skype とAndroidが加速する?電話業界の価格破壊・再編

昨日に続いて、CES 2009からのニュースをもう一つ。

無料で使えるインターネット電話の「Skype」(スカイプ)が、Java搭載携帯電話やGoogle の携帯電話プラットフォーム 「Android」 上で動くバージョンの「Skype Lite」 を発表した。(Skypeの公式ニュースリリース・英語

スカイプはパソコンユーザ間で既にかなり普及しているし、当方も仕事やプライベートなど様々なシーンで活用している。
特に、海外の友人・知人や仕事の取引先の方などと電話で話す必要があるときなどに便利で有用だ。
もちろん、既存の電話でも良いのだが、まともに海外や国内でも遠方と電話で話をすると、国際電話や市外通話料金がかさんだりして出費が痛かったりする。

そんなときにスカイプを使えば、相手もスカイプを使っている場合には、完全に無料で何分でも何時間でも通話ができる。

無料だから音質が悪いんじゃないかって? それがまったくそんなことは無い。
各電話会社が提供している有料のIP電話と比較しても、ほとんど変わらない高音質で通話ができるのだ、完全に無料で。

そんなスカイプなワケだが、ビジネスモデルの点ではどうやって安定収益を上げるのかという課題が明確には解決されないまま、アメリカのネットオークション大手「eBay(イーベイ)」に買収され、やがて創業者が辞任してしまったりもしているのだが、スカイプの無料通話ソフトウェアとサービス自体はしっかりと提供が続けられている。

そして、今回のCESで出てきたのが、Java搭載ケータイやグーグルのオープンソース携帯電話プラットフォーム「Android」上で動作するスカイプのバージョン「Skype Lite」と言う訳だ。

Javaとアンドロイド・ベースでスカイプも搭載の携帯電話がさらに普及すると、スカイプの原理から考える限り、無線LANネットワークにアクセスできる場所ならどこでもスカイプを使って無料のIP電話が無制限にできることになる。

なお、上のスカイプについての説明では、「相手もスカイプを使っている場合」と書いたが、では相手がスカイプを使っていなければ、使えないじゃないか、と思われる方も多いかもしれない。

そんな場合のために、スカイプは「SkypeOut」あるいは「SkypeIn」というスカイプ以外の通常の固定電話や携帯電話とも通話できる仕組みを提供している。 
つまり、スカイプアウトやスカイプインを使えば、無料では無いものの通常の電話料金に較べると格安で通話ができる訳だ。 

このSkypeInや SkypeOut は、今回明らかになった Java/Android 版の Skype Lite でももちろん使える。
そんな訳で、アンドロイド・ケータイが普及し、スカイプが搭載されれば、無線ラン経由でスカイプによる無料通話を使用する携帯電話ユーザが増えるだろうと思うわけだ。

これが、携帯電話サービスの事業者にインパクトを与えない訳がない。

現在でも、携帯電話が3Gとなり、通話やパケット通信で定額料金のオプションを選択している人もかなり多くなっていると思うが、通話やパケット通信の量がそれほど無いという人達は、おそらく低額なコース/オプションを選んでいてそれほど通話やネット/メールもしないという場合もあるだろう。

それが、スカイプを使えば無線LANなどインターネットにアクセスできる場所という条件はつくものの、無料で無制限に通話やネット通信が出来るようになるのだ。

このような無料電話の使用が現時点でなぜまだ広まっていないかというと、これまでは携帯電話に特別な機種が必要だったり、パソコンベースのスカイプだといちいちヘッドセットを繋げてスカイプのソフトウェアを立ち上げる必要があったりと、若干の手間ヒマがかかっていて使用上の敷居がやや高かったからだ。

これが、アンドロイドとスカイプがケータイに標準搭載されることで、スカイプと意識することなく使えるようになってくる可能性が高い。 

日本の電話の歴史で言えば、固定電話が電電公社・NTTによる独占から自由化されて第二電電各社が誕生したときに、どの電話会社のサービスを使うと最も安く通話ができるかを自動的に選択してくれるセレクター/アダプターも提供されたのと同様の動きが出てくることが予想されるからだ。

これによって、国際的なレベルで電話業界の価格破壊それに伴う業界再編にまで発展するかもしれない。

NTTドコモがNTTから分離・独立してから、人口減少や携帯電話の普及に伴って固定電話はジリ貧の状態が続いているが、この固定電話の凋落も一層加速する可能性もある。
NTTの二社はアンドロイドやスカイプの普及を織り込んで、インターネット関連など事業の再構築を行う加速していく必要があるだろう。

もちろん、携帯電話もアンドロイド搭載機種によって、ユーザ一人当たりの収益、いわゆるARPU (Average Revenue Per Unit)がさらに低下していく可能性が高く、それをどうやって補っていくかを戦略的に考える必要に迫られるに違いない。

当面、Android 対応携帯電話を開発することが明らかになっているのは、ノキア(Nokia)、サムスン電子(Samsung Electronics)、モトローラ(Motorola)、LG電子(LG Electronics)、ソニー・エリクソン(Sony Ericsson)と携帯電話の業界では大手がすべて入っている。(ワールドワイドのレベルで)

国内の携帯電話キャリアへの納入実績を考えると、上記の中ではソニー・エリクソンのAndroid搭載機種がもっとも注目を集めそうだと個人的には思えるのだが、そうするとNTTドコモやKDDI/AUからリリースされるのか?

アップルのiPhoneは当初、Skype Lite に対応ていないようだが、iPhoneユーザの増加や既存ユーザからの要望で早晩iPhone上でもSkype Lite が使えるようになる可能性が高いとみる。

あと、国内の携帯電話キャリアでこういった新しい価格破壊的な動きにも敏速に対応するという感じがするのは、
やはりiPhoneを扱っているソフトバンク、最も新規参入のイーモバイル、それにPHSベースではあるがカーライル・グループによる資本参加という動きのあったウィルコム、ということで、結果的にはどのキャリアがアンドロイド+スカイプ対応機種を出してきてもおかしくないということになるのかもしれない。

いずれにしても、これまでガラパゴス化などと揶揄されてきた日本のケータイ業界も、グローバルな技術革新や市場動向の洗礼を避けては通れないので、遅かれ早かれ無線ランとスカイプ経由での無料ないし格安通話が当たり前になり、それ以外の収益モデルや高付加価値化を模索しなければならないだろう。


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