日産(Nissan)の電気自動車 (@EV Festa)〜試乗編
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日産(Nissan)の電気自動車 (@EV Festa)〜試乗編

日産(Nissan)の電気自動車 (@かながわEVフェスタ)に試乗

神奈川県のEV普及施策に歩調を合わせる日産自動車


今回のかながわEVフェスタに出展していた日産自動車の展示コーナーの方と話をしていて感じたのは、日産のエコカー戦略としては、ハイブリッドを第一線に押し出しているトヨタやホンダとはやや異なり、三菱自工や富士重工と同様に電気自動車の早期の市場投入を強く意識している点だ。

この日産のエコカー関連事業戦略について考える時、日産が本社機能を神奈川県横浜市(みなとみらい21地区)に今年の末までに移転することになっていることも、その戦略に大いに関係があるであろうことを忘れてはならない。
しかも、その本社移転は当初2010年に行う予定だったのが、横浜開港150周年記念ということもあるとはいえ2009年に前倒しするという。
参考: 日産、横浜への本社移転を2009年に1年前倒し (ヨコハマ経済新聞、2006/06/30)

本社を神奈川県に移転するということは、日産の支払う法人税も東京都から神奈川県に移動するということであり、それに対して神奈川県としても何らかの便宜を図る(もちろん合法の範囲内で)ということは至極当然のことだろう。

いわば、EVの普及で日本に先駆けて、いや世界に先駆けて先進的な取り組みを行っているというアピールをしたい神奈川県と、自動車産業でエコカーの開発と市場投入を加速し軌道に乗せたいという日産自動車の双方の利害がうまく一致したという所ではないかと思う。

日産自動車:電気自動車の取り組み

日産の描くエコカーや電気自動車のビジョン


そういったあまり表に出てこない産官の事情はともかくとして、日産としてカルロス・ゴーン氏を始めとした経営陣がエコカー特に電気自動車の普及をビジョンや戦略として強く打ち出してくるのは、地球のためにも人間のためにも良いことであるのは間違いない。

とはいえ、リチウムイオン電池のコストがまだかなり高いことなどから、一般消費者に早く普及させるためには啓蒙活動やインセンティブとしての補助金などの施策が欠かせない。そういった意味で、神奈川のようにトップがエコカー普及にコミットして強力に推し進めている所と協力してマーケティングや事業化を進めていくのは、まさに正攻法であり、さすがゴーンは抜け目無いなーと思う。

以下、右(上)のパネルの写真だと文字がつぶれて読みづらいので説明の部分を引用させて頂く:

日産は、将来の持続可能なモビリティ社会を実現するために、従来の内燃機関を用いたクルマの燃費向上だけでなく、電気自動車や燃料電池車といったゼロ・エミッション車の普及が不可欠だと考えています。
その中でも電気自動車とその要素技術であるバッテリーの開発にいち早く取り組んできました。

アライアンスパートナーであるルノーとともに、ゼロ・エミッション車のリーダーとしての役割を狙い、安全で魅力のある高品質な電気自動車を2010年に北米と日本に投入し、2012年にはグローバルに展開する予定です。

日産自動車:電気自動車が走る環境にやさしい街日産の描く電気自動車のビジョンとしては、この右側(下)のパネルが分りやすい。
この写真の解像度が低く説明文が読みづらいのが申し訳ないのだが、図を見ていただければ大体の雰囲気や感じは掴んで頂けるかと思う。

このパネルから読み取れるのは、日産としてはすべてのガソリン車を即座に電気自動車で置き換えるのは必ずしも現実的ではないと考えていること。
むしろ「パーク&ライド」のような制度・仕組みで遠距離での移動にはガソリン車やハイブリッド車、都市内部では電気自動車、といった棲み分け、あるいはEV専用レーンのような電気自動車の優遇施策によって段階的にゼロ・エミッションを実現していくという、確かにかなり実現可能で現実的なシナリオだ。

実際、リチウムイオン電池のコストや開発状況、充電インフラの整備状況などを考えれば、自動車ユーザがすべて即座にEVに乗り換えるということは想像しづらいし、そういう意味では至極妥当なビジョン、提案に思え、この程度なら2010年からでも徐々に実現できるかなという気はする。
 
試乗した日産自動車・EV実験車の車内

日産のEV実験車両に試乗


さて、前置きがかなり長くなってしまったが、この記事の最後に実際に日産の開発した電気自動車の実験車両に同乗させて頂いた際の状況のレポートも記しておこう。

かながわEVフェスタ会場内の試乗コーナーでは、日産の「CUBE」をベース車両とした電気自動車の実験車両が来場者への試乗のために、三菱自工の「i MiEV」、富士重工の「プラグイン ステラ」と共に用意されていた。 
会場では、受付で番号の書いてある紙片と電気自動車についての意識調査用のアンケート用紙をもらい、順番を待つという仕組みになっていた。

筆者の訪れた14日(土)は、あいにく天気があまり良くなかったこともあり、来場者が少なかったためかほとんど待ち時間無しで、しかも希望通りに日産のEVへの試乗が叶った。

試乗エリアは赤レンガ倉庫広場内のロータリーか何かだろうか、楕円のロータリーみたいな部分を一周できるようになっていたのだが、それにはさすがに1分も掛からない程度の大きさで、試乗自体はあっと言う間に終わってしまった。

しかも、日産の方だろうか運転手の方に、次回なりに同乗だけでなく運転もできないのかとか、迷惑な質問を浴びせ、その方が運転しながら回答に困っているうちに、一回り終わった、みたいな、もう少し同乗の間はそれに集中した方が良かったかな、と軽く後悔したりして w

このブログ記事を書いている15日(日)は天気も良いので、午後のEVフェスタには昨日よりももっと大勢の来訪者があるのではないかと思う。

試乗した感想としては、いかんせん距離が短いため必ずしも日産のEVの感覚や完成度を完全に理解できたわけではないのだが、他社と同様にほぼ実用レベルには仕上がっているのではないかなとは感じた。
とにかく、EV実用化と普及成功のカギはバッテリー、現時点ではリチウムイオン二次電池の低コスト化と、急速充電インフラの整備だ。


電気自動車の普及は規定路線:残る問いは「いつ?」だけ

この二つが叶いさえすれば、現在電気自動車なんかにほとんど興味無い人からすれば、意外なくらいに早いペースで自動車の電気化は進むと見ている。

ちなみに、ある製品のベースとなる技術が置き換わるのに要する期間というのは、最近短縮化される傾向にあるように思う。

例えば、音楽。

二昔前(つまり20年以上前)は、まだアナログのレコードやステレオのコンポーネントが主流だった。
それが、一昔前にはCDやMDなど、デジタルオーディオがアナログを完全に置き換えてしまっている。

更に、現在どういう技術的な変化が起きているかと言うと、デジタルのCDすら廃れてきて、インターネットのiTunesやアマゾンのネットショップなどからネットとパソコンを経由してダウンロードして、iPodやMP3プレーヤーに転送して聞くというスタイルが当たり前になっている。 

この変化のため、音楽業界もネットでの音楽流通を前提にビジネスモデルを考えなければならなくなり、アーチストによっては、時代にそぐわなくなりつつある従来の著作権ではなくクリエイティブコモンズ・ライセンスを採用するなどの動きまで出てきた。

これは極一例で、他にも同じようなデジタル化やインターネット化によるビジネスモデルの変革は、デジタルカメラ、映像・動画(テレビを含む)、電話など、我々の生活に関わるあらゆる面で起こっている。 

そういった意味で、自動車産業でも地球温暖化や燃料高騰などを背景とした電気化・電子化によって、今後数年の間に非常に大きな変革が起こることは、まず間違いないだろう。 
あとは、要素技術のリチウムイオン電池を高性能化する素材なり材料技術なりがどこで出てくるか、そういうことなのである。
 
EVフェスタ・レポート (5) に続く・・・
 


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