EVによる「グリーンニューディール沖縄」: 課題と提言
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EVによる「グリーンニューディール沖縄」: 課題と提言

グリーンニューディール沖縄という提言を、日経ビジネスOnline「経営の設計学」というニュースサイトで東京大学の宮田秀明教授が行われている。

先に書いたように、沖縄県はEV・pHVタウンのモデル地区に名乗りを挙げたこともあり、宮田教授の「グリーンニューディール沖縄」提言も正に理に適った施策と言える。
ただ、宮田教授の提言にあるレンタカーのEVへの順次置き換えというのも毎年5000台というのは、リチウムイオン電池のコストがまだ高いためEVの価格が一台250万〜300万円を下らない現時点では、かなり非現実的な数字に思える。

また、残念ながら先日経済産業省が発表した8箇所のモデル地区に沖縄県は選ばれておらず、調査地域として今後のEV・pHVタウン・モデル地区指定を目指すという状況になっている。

なぜ、今回沖縄県がEV・pHVタウンに選定されなかったのか?
経産省のホームページで公開されている選定結果には、その理由が次のように述べられている:

提案内容に解決すべき課題があることから、更なる調査を実施し、21年度に実施予定の提案募集を通じて「EV・pHVタウン」への選定を・・・

では解決すべき課題とは何だろうか?

沖縄の経済力とEVコストの現状

ちなみに、沖縄県の提出したEV・pHVタウン・モデル地域提案書の5ページに、同県の認識する課題が記述されている:

  • 県の財政上、県独自の上乗せ補助等の支援は困難である。
  • 普及目標の達成には、自動車メーカーによる EV・pHV 車両価格の低減が望まれる。

確かに、首都圏(東京都・神奈川県)や阪神の京都府、中部の愛知県などに較べると、自動車や電機などを含めて大企業の立地も少なく観光産業に依存する沖縄経済では県としても神奈川のように自治体として電気自動車に補助金を支給することは困難なのだろう。

しかし、同じ九州地区でしかも島嶼地域という条件も似ていながらEV・pHVタウンとして選定された長崎県の提案書を読んでも上乗せ補助を出すとは明記していない。
つまり、神奈川など一部の裕福な自治体を除けば、ユーザから見ればEVの取得コストは長崎も沖縄(や多分、他の地方自治体)も同じと思われる。

沖縄はある意味、馬鹿正直に提案にその部分を書いてしまったため、見せ方、つまりマーケティングで損をしてしまったのではないだろうか。
(結果論ながら、長崎と同様に、県民へのPR、啓蒙という部分をもっと強調していれば、EV・pHVタウンに選定されていたかも知れない。。。)


グリーンニューディール沖縄を実現するためには

では、元の命題に戻って「グリーンニューディール沖縄」を実現するには、どんなことを考え、実行すれば良いだろうか。
以下、当方が無い智恵を絞った一人ブレーンストーミングの結果のいくつかを記してみる。

  • 軽車両・二輪車からEV化
  • いきなりEV5000台ではなく、HV/pHVから順次置き換えを推進
  • グリーンニューディール沖縄の一環としての「スマートグリッド沖縄」

軽車両・二輪車からEV化を始める
4輪の自動車は高額な買い物となるので、消費者や企業のいずれも高価なEVを導入することには抵抗が強い訳だ。ましてや、現在の不況では経費削減が環境対策に優先されてしまうのが現状。

一方、自転車やバイクを見ると、実は電動アシスト自転車や電動バイクといった製品の市場が成長している。

原動機付き自転車、いわゆる原付またはスクーターの販売台数と電動アシスト自転車の台数では、2008年の段階でほぼ同じになり、来年以降逆転しそうな状況となっている。

この理由は、原付に対する規制の強化やガソリン高騰、電動アシスト自転車の値頃感などだが、この流れにのって、二輪車での電動化、EV化をさらに推し進めていくと同時に、それらをどこでも充電できるように充電インフラを沖縄県内各地に増やしていく。

原付の排気ガスだけだとCO2へのインパクトも知れているが、ポイントは4輪のガソリン車の代わりに電動アシスト自転車や電動バイクを使うことによるCO2削減にある。
ちなみに、当方は沖縄には過去に二度ほど行ったことがあるが、そのうちの一度では原付バイクで島内を一周したことがある。
確かに、沖縄ほどの地理的規模なら、充電インフラさえ整っていれば電動アシスト自転車、電動バイク/電気自動車でも十分に実用的と思う。


いきなりEV5000台ではなく、HV/pHVから順次置き換えを推進
宮田教授のレンタカーEV5000台というのは、金額にすると一台300万円としてもざっと150億円だ。
上乗せ補助金にしても、一台50万円としても25億円になる。 

このような額は、法人税や住民税による収入が潤沢な東京や神奈川など比較的裕福な自治体なら予算化も可能だろうが、失業率が全国一という厳しい経済情勢にある沖縄では、ただでさえ予算化で財源に悩む現在、国が特別に予算を出すなどしない限り不可能だろう。(だからこそ、EV・pHVタウンに立候補したのだと思うが)

それよりも、現実解としては純粋なガソリン車からハイブリッド車、プラグインハイブリッド車をもっと増やすことから始めるのが現実的だろう。
電気自動車の最大のコストアップ要因であるリチウムイオン電池も、電動自転車、電動バイク、ハイブリッド自動車、電気自動車、と需要の急拡大に伴ってコストが比較的早く下落する可能性もある。

その時点で、EV/pHVがより導入可能な価格帯に達した段階で、一気に大量導入、普及も現実的になってくると思われる。

グリーンニューディール沖縄の一環としての「スマートグリッド沖縄」

グリーン・ニューディール政策を語る上で、外すことができないテクノロジーが「スマート・グリッド」だ。
これは、簡単に言えば、ネットと電力網を統合して、電気エネルギーをもっと便利に効率よく使えるようにすることで、電気自動車などモビリティも含めてエネルギー効率を社会全体で高めるインフラである。

沖縄は、沖縄振興特別措置法の指定とともに情報通信(IT)特区としての認定を受けており、那覇・浦添地区および名護・宜野座地区の情報通信企業に対し、法人税の35%所得控除、投資税額控除、地方税の減免など税制上の優遇措置が適用されている。

これによって、多くのコールセンターやITベンチャーが沖縄に進出する効果が生まれたものの、正規雇用への波及は限定的となっているなどの問題も指摘されている。

そこで、グリーンニューディール沖縄の一環として「スマートグリッド沖縄」を提案したい。
これによって、情報技術と電力中心のエネルギー技術の研究開発、ベンチャー企業の誘致、産官学連携などを奨励、推進する。
EV/pHVはスマートグリッドを構成するキー・コンポーネントの一つなので、自ずと研究開発のための需要が生まれ、それを基点として実用のためのEV/pHV普及への弾みも付くことが期待できるのではないかと思う。

また、沖縄ではサトウキビ栽培が盛んなことから、バイオマス、バイオエタノール関連の研究開発が既に行われているようなので、これをグリーンニューディール沖縄施策の一環として更に推進することも有効だろう。


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