新型プリウス(Prius)で巻き返し:トヨタのマーケティング戦略
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新型プリウス(Prius)で巻き返し:トヨタのマーケティング戦略

この5月18日、いよいよトヨタが三代目となる新型プリウス(Prius)」の販売を開始した。

たまたま、この新型プリウス発売に関する記者発表会に居合わせることができたので、今回のトヨタ自動車のマーケティング戦略について思ったところを記しておきたい。

  1. ライバル意識
  2. トヨタの全販売チャネルでの新型プリウス提供
  3. 従来手法とWebによるマーケティング・ミックス


ライバル意識

これまでにも事前のテレビのコマーシャルなどを見ていると、プリウスの強力なライバルとなったホンダ・新「インサイト」を非常に意識しているフシが伺えた。

今回の記者発表会でも、名指しこそしていなかったものの、ハイブリッド車でシェアをかなり奪われたインサイトを事実上ほぼ唯一の競合製品とみなして、新型プリウスの優位性をことごとく訴えていた。

例えば、プリウスはモーターによるEV走行が可能な「ストロングハイブリッド」、一方エンジンが主でモーターは補助でしかないのが「マイルドハイブリッド」と明確な区別をして競合との差異を強調、新型プリウスの環境性能や燃費の良さ、走行性をアピール。

この「ストロングハイブリッド」と「マイルドハイブリッド」は、ステージでタンデム(前後二人乗り)の自転車によるパフォーマンスまで見せ、いかにプリウスのストロングハイブリッドの方が優れているかを強調するという念の入れようだった。

ただ、ホンダのインサイトとプリウスではハイブリッド車という点では共通ながら、その開発コンセプトもハイブリッド技術(仕組み)も違うもの同士なので、あまり比較をしすぎるのもどうかと思ったが・・・ (つまり、フェアではないということ)

トヨタ全販売チャネルでのプリウス提供

今回の新型プリウス発売では、販売チャネルでも全面的にプリウスの販売拡大を目指してトヨタの全販売店系列でプリウスを扱うことにしたもの。マーケティング4Pで言う、"Place" の強化ということになる。
(4Pの"Price"、価格もかなりアグレッシブになったのはご存知の通り。)

これは、他の経済記事などでも指摘されているし、一部のトヨタ代理店から反対と主張する人々まで出てきたと言うが、他の車種の売上げ減(いわゆるカニバライゼーション)につながる恐れがあるからだ。

ただ、やはりハイブリッド車の普及期に入ったという点で言えば、やはりプリウスは「エコカー時代のカローラ」というポジショニングとなるのかもしれない。


従来手法とWebによるマーケティング・ミックス

新型プリウスの記者発表会場でも紹介されていたが、プレスへの広報という従来手法によるマーケティングに加えてWeb2.0的な取り組みも行われていたのが興味深かった。

具体的には、トヨタが運営するコミュニティサイト「トヨタ メタポリス」上での記者発表のライブ中継だ。

しかも、発表会場での質疑応答に準じてメタポリスの仮想空間でも豊田章男副社長への質問を受け付けたり、逆に豊田氏がコミュニティに質問を投げかけたり、といったやり取りがされていた。

質問の選択権はトヨタ側にあり、当然解答しずらい質問などはスルーして、解答しやすいもの、簡単なものを選んでいたようにも思えたが、まぁそれは想定の範囲内だろうか。


一連のやり取りでは、広告代理店かPRコンサル会社の支援のもと、恐らく入念な準備やトラブル対応のバックアップ、リハーサルを行っていたのだろう。

これらすべてのやり取りがメディア関係者で満員の会場の中、特に問題などもなく粛々とこなされていった。

はたして、記者発表の次の日(本日5/19)、主要紙や日経、各種オンラインメディア上には新型プリウス発表・発売についての記事が一斉に掲載された。
既に発表の場でも明かされていた通り、新型プリウスには既に8万台もの予約注文が入っているという。

トヨタの狙い通り、新型プリウスの滑り出しは順調

インサイト発売直後は、トヨタ販売店や首脳陣もかなり焦っただろうが、その後のマーケティング戦略、つまり価格設定、販売チャネル戦略、広報・広告戦略などで抜かりなく取り組んだ結果が出た形だ。

"えげつない"なんてこのブログでは書いたりもしたが、トヨタはいま"手負いの虎"である。
だから、ホンダの新型インサイト攻勢を手を拱いて見ているワケにはいかなかったのだろう。

当方としてはクルマを買う予定は当面ないが、本業の兼ね合いもあり新型プリウスの試乗は一度はしておきたいと思っている。
 
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