プリウスPHV(プラグインハイブリッド):500万円の理由
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プリウスPHV(プラグインハイブリッド):500万円の理由

プリウス・プラグインハイブリッド(以下、プリウスPHV)の価格がどうやら決定したらしい。

自動車情報サイト「レスポンス」の速報記事によれば、プリウスPHVの価格は税抜きだと500万円。
消費税込みなら1.05倍の525万円ということだ。

以前にもプリウスPHVの価格について推測した記事を書いたことがあるのだが、こんなに高いとは完全に想定の範囲外だった。

なぜ、こういうことになったのか?
現時点の情報では推測いや憶測に過ぎないが、少し思い当たることを記しておきたい。

まずは、プラグインハイブリッド化する上でカギとなったに違いないリチウムイオン電池だ。

トヨタ(+パナソニック?)でのPHV向けリチウムイオン電池開発が難航しているのではないかという噂は、自動車ジャーナリストの方々のブログだとか、自動車情報サイトで色々と見聞きしていた。
はたして、このような価格で出してきたということは、やっぱりその噂がまんざら単なるガセじゃなく、当たらずとも遠からずではなかったのか、ということ。

元情報のレスポンスの記事にも「PHVは予想以上に難しい」とトヨタの技術者の方が話したと書いてあるが、PHVが難しいというよりも、リチウムイオン電池が・・・ということだったのではないだろうか。

それに少し腑に落ちないのは、ハイブリッドとプラグインハイブリッドでそんなに電池の入出力特性が変わるのか、ということ。
確かに、三代目までのプリウスは二次電池としてエネルギー密度がリチウムイオンの半分程度のニッケル水素電池を使っている。

しかし、容量を倍にして、外から充電ができるようにした以外の動作特性は、これまでのプリウスと何ら変わりがないはず。ということから考えると、どうも先の技術者氏のコメントがシックりこないのだ。

もう一つは、あるリチウムイオン電池開発者の方から少し前に聞いた話。

その某氏によれば、電池の制御技術としては、リチウムイオン電池よりもニッケル水素の方がはるかに難しいということだったのである。逆に、EV向けバッテリーの本命と言われるリチウムイオン電池の制御の方が簡単ですよと。

トヨタの主張する通り、プラグインハイブリッド車というのはハイブリッドと電気自動車のいいとこ取りである。
そして、いわゆる「ストロングハイブリッド」というのは電気自動車に近い構造のハイブリッドで、だからこそプリウスをプラグイン化して電気自動車として使える時間または距離を増やしましょう、という事になったわけだ。

その意味では、プリウスがプリウスPHVになったからと言って、電池の特性がそんなにがらっと変わるとは思えないのだが・・・

まぁ、百畝譲って、プリウスPHVで求められる電池特性がプリウスとかなり異なるのだとしよう。

ここで、強気?の500万円というプリウスPHVの価格設定のもう一つの理由は、競合する実用化段階のプラグインハイブリッド車が、まだほとんど市場にいないからだろう。

今年の春に話題をまいたホンダの新インサイトは、パラレル・ハイブリッド、あるいはトヨタ風に呼べば「マイルド・ハイブリッド」だ。これは、構造がトヨタのTHSによるパラレル・シリーズ・ハイブリッドよりもずっと簡単な分、ハイブリッドとしてのエネルギー効率は犠牲にしている。(だからこそ、180万円というローコストのHVが実現できた)

EV走行は低速で一定の速度で巡航するときであれば可能らしいが、エンジンとモーターが同じ軸に繋がっており、そのモーターは単独で車体を発進させるほど大きくないので、プリウスのようなPHV化はほぼ不可能だ。

もしホンダがプラグインハイブリッドをすぐに出すとするなら(今のところ、その可能性は低いと思うが)、インサイトをベースにするよりも、燃料電池車「FCXクラリティ」の燃料電池スタックやら何やらを一切合切取っ払って、そこにホンダが市販している発電機なり、ガスエンジンなりの技術を元に作ったエンジンを入れて、シリーズ型のプラグイン・ハイブリッド(後述)にする方が早いだろう。

もちろん、インサイトのエンジンを取っ払って大きめのモーターとリチウムイオン電池を積むことは可能だろうが、そうすると5ナンバーのインサイトでは、車内の居住スペースに手をつけない限り発電用モーターまで積む場所が無くなってしまうと思われる。

では、巷でプリウスPHVの好敵手だと誠しやかに報じられている、GM/シボレーの「ボルト(VOLT)」はどうか。
シボレー・ボルトは、レンジエクステンダー(range extender)EVとも呼ばれる、シリーズ型のプラグイン・ハイブリッド車である。

こちらは、インサイトよりもさらに簡単で、簡単に言うと電気自動車にガソリン発電機を載せたものである。
で、電池の電気が無くなったら、発電機を回して電気を作ることで航続距離を伸ばすことができるというコンセプトなのである。

こちらは、元々がほとんど電気自動車であるから、当然リチウムイオン電池は大容量である。
ということは、コストを積み上げていくと価格的には日本円にしてやはり400万円とか500万円は下らないだろう。

それでいて、プラグインハイブリッドとしての実績はまだこれからである。
どう考えても、プリウスPHVの方が信頼できそうだ。


と、色々と書きなぐったが、要するにプラグイン・ハイブリッド車で実用段階にあるのは、事実上プリウスPHV位だけなのだ。

とにかく、他の自動車メーカーがプラグインハイブリッドでプリウスPHVに負けないクルマを出してくるまでは、PHVが欲しい人は525万円(−補助金=実質的には386万円か)でプリウスPHVを買うしか無いわけである。

さて、トヨタのプラグインハイブリッドの牙城を切り崩すのは、ホンダか、日産か、それともGMか・・・?

性能の良いリチウムイオン電池(EVのリーフに搭載のラミネート形LIB)を持っているという点では、これまではハイブリッド競争で出遅れていた日産あたりが意外にPHVでも対抗馬を突然出してきたりして・・・?


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