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2010年06月14日

Better Place のバッテリー交換ステーション(BSS)に潜入!

さる6月10日の晩、Better Place(ベタープレイス・ジャパン)社が開催したバッテリー交換式EVタクシーのブロガー向け試乗会に参加した。

ベタープレイス社の動向にはずっと注目しており、昨年5月に横浜で行われたバッテリー交換ステーションの実証試験も見学したし、この4月の終わりのバッテリー交換式EVタクシー実証運用の開始の時にも見ていた。

しかし、バッテリー交換EVタクシーに乗ったことは無かったし、BSSも外側から眺めるだけで内部の機構なども他のメディアが報道した写真や映像でしか見たことが無かったのだ。

今回のブロガー向け試乗会では、それらが体験できるということだったので、同社の事業や技術にはそれなりに精通(食傷?)していた当方も参加させて頂くことにしたのである。


このブロガー向け試乗会はこの実証試験期間中では今回が二度目ということで、既に様々なブログでも記事が公開されているが、当方としての思いや考えを中心に述べてみたい。

電池交換インフラの事業化がさらに前進

まず、昨年の横浜の実証試験の時点からすると事業化の度合いは確実に進んだと言える。

電池交換ステーションは、東京R&D社がチューンナップを施したお陰で電池交換の時間が短縮され、以前は1分半程度は掛かっていた電池交換時間が約1分までに改善されている。これは、通常のタクシーの燃料であるLPGの補給よりも早いレベル。

交換用のバッテリーパックも3台のEVタクシー運用のために1台当り4個で合計12個が用意され、日々のオペレーションで使用されている。バッテリーパックの中身はA123システムズ社製のリチウムイオン電池セルや制御回路が入っている。

このバッテリー交換ステーションの内部は、さながら自動化された工場のように見えるがそれもそのはずで、実際に工場の自動搬送機器などの技術を転用しているそうだ。その部品もほとんどが既製の量産品で低コスト化したということである。バッテリーパックもほとんどが既製品の部品で構成されており、「特注品は写真で赤く見えるコネクタ部分くらい」(同社事業本部長の三村氏)だそうだ。

電池交換型のEVも「T」ナンバーの着いた日産「デュアリス」が1台だけだったのがタクシー用に緑ナンバーを取得した3台の追加で合計4台になった。電池交換式EVへのコンバージョンのためにこれまでに蓄積されたノウハウや部品の低コスト化などを考えると当面、電池交換式EVはデュアリスをベースに増殖する可能性が高い。


他のブロガーの方々は、このバッテリー交換ステーションを見て「サンダーバード」のようだとか、近未来だとか、まぁ色々と書かれているわけだが、重要な点はこの仕組みには何か革新的な真新しい技術が使われている訳ではないことだ。

つまり、前にもこのブログで指摘した通りだが、ベタープレイスの電池交換メカニズムはすべて既存技術の組み合わせだけである。だから、少なくとも技術的には失敗のリスクが非常に少ないのである。だからこそ、欧米のベンチャーキャピタルや銀行など機関投資家のシンジケートがベンチャー企業である同社に多額の出資を行っているのだろう。(もちろん、技術的なリスクだけでなく、事業的なリスクも十分に少ないと判断したからだろう。)

パフォーマンスとして最も目立つ電池交換メカニズムだけではなく、IT系のシステムも着々と開発が進んでいる。


今回の実証試験では、各EVタクシーの所在地、バッテリー電力量の残量、などがリアルタイムに把握できるようになっている。

また、運転手はすべてiPhoneを持っていて、必要な情報の確認なども行えるそうだ。
収集したEVタクシーのデータは、例えばiPadでも即座に集計したり解析したりできる。
この辺の情報通信システムも実は同社のコア技術であり、電池交換と同じくらいに重要なものだろう。

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